医学会ダイジェスト リウマチ学会(第2日目)その2

腸内細菌叢と疾患のABC 竹田潔(大阪大学 免疫制御学)

 

 

 

はじめに:

腸内細菌叢が私たちの健康維持、免疫系の発達、さらにさまざまな疾患と係っています。

 

このことについては、先週の日本内科学会のダイジェストですでに紹介しました。

 

腸内細菌叢は、リウマチ学会でも取り上げられていました。

 

このテーマは、高円寺南診療所に通院中の多くの皆様に関係が深いため今後も注目していこうと思います。

 

 

 

 

講演サマリー:

 

<総論>

 

腸内細菌叢は私たちの健康維持に極めて重要な役割を担っている。

 

様々な疾患で多種類存在する腸内細菌叢の割合は健常人と異なる。

 

これをdysbiosisという。

 

 

<各論>

 

腸内には1,000種類を超える細菌種(腸内細菌叢:microbiota)が存在する。

 

腸内細菌の遺伝子(microbiome)総数は、ヒトが持つ遺伝子総数の約400倍になる。

 

腸内細菌の遺伝子産物の中に、私たちの健康維持に必要な栄養素を作り出す酵素が含まれている。

 

摂取した食物成分から腸内細菌により作り出される代謝産物は、ヒトのエネルギー源、栄養となり、

また腸管免疫系に関与する。

 

dysbiosisが認められる疾患:炎症性腸疾患、多発性硬化症、肥満などの代謝疾患、

自閉症などの神経発達疾患