医学会ダイジェスト 日本内科学会(第1日目)その1

有楽町の東京国際フォーラムでの3日間のシンポジウムのテーマについて、

最初に私の印象をご報告しましょう。

 

今年の日本内科学会は総合内科や心療内科の方向へのシフトを感じました。

 

 

初日のテーマは『睡眠関連障害と全身性疾患をめぐって』

これは高円寺南診療所開設以来の臨床実践課題にピッタリと重なっています。

 

 

睡眠は生命維持には不可欠で、能動的に引き起こされることがわかってきました。

(昼夜の環境変化など受動的な刺激で睡眠のリズムは影響を受けますが、睡眠現象自体は能動的)

 

そのメカニズムは、恒常性維持【必要睡眠量】や体内時計の機構で説明されています。

しかし、「眠気(ねむけ)」という自覚症状の本体はいぜんとして謎に包まれています。

ただし、眠気は生体防御のために重要な現象であると認識されています。

 

 

不安や緊張が強いストレスフルな状況や躁的興奮状態では

「ねむけ」や「疲労」を感ないまま覚醒し活動し続けます。

 

その異常に気付かないままでいると、睡眠不足が慢性化し、睡眠負債が蓄積し、

慢性疲労や慢性疼痛を引き起こされたと思われる症例は高円寺南診療所では多数経験しています。

 

鍼灸治療・心理療法・薬物療法など治療の種類を問わず、

「ねむけ」や「だるさ」や「疲労」の自覚は心身の緊張緩和(リラックス反応)です。

 

この症状を否定的にとらえてしまうと自然治癒の妨げとなりますが、

肯定的に受け止めて受け入れることが望ましい養生の姿勢であり、治療効果が促進されます。